特定技能外国人の雇用を検討し始めたけれど、言葉は通じるのか、ビザは取れるか、どのくらい費用が必要かなどの疑問を抱えている人は少なくありません。特定技能ビザの申請には必要な書類や注意点があります。特定技能外国人の雇用を決めた後に手間取らないよう、外国人が日本で働く方法、特定技能ビザの取得方法などについてご紹介します。
外国人が日本で働くにはどうすればいいの?
外国人が日本で働くために必要なことについて見ていきましょう。
就労ビザ
日本で外国人が90日以上滞在する場合、または日本国内で仕事をする場合にはビザの取得が必要です。定住者や永住者、日本人の配偶者などのビザを持っている場合、日本で働く際に労働法令に違反しない限り時間や職種の制限はありません。
就労目的のビザを就労ビザと呼びますが、それぞれの外国人が行う業務の内容によって種類が分けられ、17種類あります。
在留資格とビザの違い
本来、ビザは海外にある日本の大使館や領事館が外国人に対して3か月限定の入国を許可する推薦状を指します。出入国在留管理庁が外国人の活動内容に応じて許可するものを在留資格といいます。
就労ビザという言葉は正式にはありませんが、通称として在留資格をビザとして使っています。就労系のビザは一人につき一種類だけ取得可能です。
その業務内容を限定して特定の仕事をすることが許可されているので、たとえば「技能」を持っているシェフが通訳をしたり「介護」の資格がある介護士がエンジニアの仕事をしたりすることはできず、不法就労になります。
就労ビザの種類
外国政府の使節団もしくは領事機関の構成員やその家族である「外交」や日本政府が承認した外国政府もしくは国際機関に従事するものとその家族である「公用」を含めると19種類あります。
たとえば大学教授や助手などの「教授」、アナウンサーや新聞記者などマスメディアに関わる「報道」、弁護士や会計士、税理士などの「法律・会計業務」、学校教員やそれに準ずる施設で語学教育に携わる「教育」、プロのスポーツ選手や歌手、俳優などに関わる「興業」、特別に定められた産業でその分野の一定以上の知識や技能を有する「特定技能」などがあります。
特定技能のビザを取得するには
特定技能は人材の確保が難しい一部の産業分野などにおいて、一定の専門性や技能を有し即戦力となる外国人を受け入れる在留資格として創設されました。特定技能の対象は12職種あります。
国によって本国側が定める手続きがある国もありますが、大まかな流れについて見ていきましょう。
試験に合格
特定技能の在留資格を得るためには特定産業分野ごとの技能試験と、日本語基礎テストもしくは日本語能力試験のN4に合格する必要があります。介護分野に関しては介護日本語評価試験にも合格しなければなりません。
技能実習2号を良好に終了している場合はこれらの試験は免除されます。
求人募集に申し込む
試験に合格したら受け入れ先とのマッチングを図ります。求人に直接応募するか、民間の事業者を通じてあっせんしてもらいます。
ビザの申請方法とは
特定技能ビザには1号と2号があり、1号は最大5年の日本滞在、2号は何年でも継続して働くことができます。もともと技能実習生であった外国人が特定技能ビザに変更すればさらに日本で長く働けます。ここでは特定技能1号取得の流れについて見ていきましょう。
雇用契約の締結
受入れ機関が決定したら、特定技能雇用契約を結びます。この契約では福利厚生や給与額など日本人労働者と差別しないことを約束する必要があります。また受け入れ期間が実施する健康診断や事前ガイダンスなどを受けます。
証明書申請
雇用契約締結後は本人が出入国在留管理局へ在留資格認定証明書の交付申請を行います。通常2週間~1か月程度で審査の結果がわかり、許可が下りれば証明書を受け取りに行きます。申請は受入れ機関が行うことも可能です。
支援業務
受入れ機関は支援を行うことが義務づけられています。たとえば空港への出迎え・見送りや住宅確保の支援、入国前ガイダンス、生活に関するオリエンテーションなどを受入れ機関が行うか、専門業者に委託して行う必要があります。
また、支援を適切に行うため社内体制や社内周知を万全にしておくことも忘れてはいけません。
まとめ
ビザに関する法律は日本で働く予定の外国人と外国人を受け入れる日本側の双方にとって不利益が生じないように定められています。日本で働く外国人労働者は年々増加していますが、受け入れにはまだたくさんの課題があります。
特定技能ビザの申請は手続きが複雑ですが、受入れ機関である企業は特定技能を有する外国人を雇用する場合に適切な支援を行うため、ビザ取得の流れやビザに関する知識や情報について把握しておくことが大切です。
とくに、在留資格認定証明書は3か月なので、取得後は速やかに入国手続きを行いましょう。