特定技能制度を活用した外国人採用は広がっていますが、国ごとに制度や手続きが異なるため、受け入れ可能な国や採用しやすい国の特徴を理解することが重要です。本記事では、特定技能で人材紹介が可能な国の基本と、採用を進めるうえで押さえておきたいポイントを分かりやすく解説します。
特定技能制度において人材紹介が可能な国とは?
特定技能制度を活用して外国人を採用する企業は年々増えています。ただし、採用のしやすさは国ごとに異なり「採用できる国」と「採用しやすい国」は分けて考える必要があります。背景には、二国間協定や試験実施状況の違いがあります。
二国間協定を結んでいる国とは
日本は多くの国と特定技能に関する二国間協定を結んでおり、外国人が安全かつ円滑に日本で就労できるようルールが整備されています。代表的な協定国には、ベトナム、インドネシア、フィリピン、ミャンマー、ネパール、カンボジアなどがあります。
これらの国では現地で特定技能試験が実施されており、海外からの直接採用がしやすい環境が整っています。一方で、中国や台湾のように二国間協定がない国でも受け入れは可能です。この場合、日本国内に在留している外国人が特定技能へ在留資格を変更して働くケースが中心となります。
つまり二国間協定は「採用の可否」ではなく「採用手続きの円滑さを支える仕組み」と捉えるのが適切です。
海外採用では試験実施状況が重要
海外から特定技能人材を採用する際は、現地で試験が実施されているかが重要なポイントです。特定技能では、技能試験と日本語試験の合格が必要ですが、国や分野によって実施状況には差があります。
そのため、インドネシアやミャンマーのように試験が活発に行われている国では採用が進みやすい傾向があります。とくに介護・農業・外食業などでは受験者数も多く、日本語学習への意欲も高い人材が増えています。
また、かつてはベトナムからの採用が中心でしたが、近年はインドネシアやミャンマーからの新規入国者が増加しています。これにより企業側も、特定の国に偏らず、より幅広い国から人材を確保する動きが広がっています。
特定技能外国人の国籍別実態と最新動向
特定技能制度開始当初はベトナム人材が中心でしたが、現在は国籍の構成に変化が見られます。背景には、各国の試験実施状況、日本語教育の普及、経済状況などがあり、とくにインドネシアやミャンマーの存在感が高まっています。
ベトナム人材は依然として最多
現在でも特定技能外国人の中でもっとも多いのはベトナム国籍です。技能実習から特定技能へ移行するケースが多く、日本での就労経験や日本語の習熟度の高さから、企業にとって受け入れやすい人材となっています。
一方で、増加ペースは以前より落ち着いています。ベトナム国内の賃金上昇や円安の影響により、日本で働く経済的メリットが相対的に低下していることに加え、他国に比べて特定技能試験の開始が遅れたことも影響しています。そのため、今後は国籍構成が分散していく可能性があります。
インドネシア人材の急増
近年、とくに増加しているのがインドネシア人材です。日本への関心が高く、日本語学習者も増加しています。特定技能試験も積極的に実施されており、介護・農業分野を中心に合格者が増えています。
また、協調性が高く職場になじみやすい傾向がある一方、イスラム教徒が多いため、礼拝や食事など宗教面への配慮が必要です。採用時には社内理解を深めることが重要です。
ミャンマー人材の増加と留意点
ミャンマー人材も近年増加傾向にあります。日本語教育の普及と日本での就労志向の高まりが背景にあり、仏教文化の影響から日本人との価値観の親和性が高いと評価されることもあります。
介護や宿泊業を中心に評価が高い一方で、社会情勢が不安定な面があり、制度変更や出国制限などのリスクも考慮する必要があります。そのため、現地情報を確認しながら慎重に採用を進めることが重要です。
国籍別の特徴と受け入れ時の注意点
特定技能外国人を採用する際は、国ごとの文化や制度の違いを理解することが重要です。ただし、国籍で一括りにするのではなく、ひとりひとりの個性を前提にした対応が求められます。
宗教や生活習慣への配慮
外国人材の受け入れでは、宗教や食文化への理解が必要になる場合があります。たとえば、インドネシアやネパールでは宗教上の理由で食べられない食品があり、フィリピンではキリスト教の行事を重視し、長期休暇を希望するケースもあります。
日本の常識がそのまま通用しないこともあるため、採用前に本人へ確認し、相互理解を深めておくことが大切です。
国ごとに異なる採用ルール
特定技能制度では、国ごとに手続きやルールが異なります。たとえば、フィリピンでは政府認定機関をとおした手続きや面接が必要となる場合があります。ベトナムでは認定送り出し機関との契約が必要であり、インドネシアでも政府認定の送り出し機関を利用するケースがあります。
このように同じ制度でも国によって要件が異なるため、事前に正確な制度理解が不可欠です。不備があると法令違反につながる可能性もあるため注意が必要です。
国籍を限定しすぎない採用の重要性
近年は特定技能外国人の転職や移動も増えており、特定の国に限定した採用では人材確保が難しくなるケースもあります。とくに地方企業では応募が集まりにくくなる傾向があります。重要なのは国籍ではなく、本人の経験や人柄、日本語能力を重視することです。
どの国にも優秀な人材は存在するため、幅広い国籍を受け入れる柔軟な姿勢が、安定した採用につながります。
まとめ
特定技能制度は、国ごとに制度の運用や試験状況が異なるため「どの国からでも同じように採用できるわけではない」という点が重要です。現在はベトナムに加え、インドネシアやミャンマーなど多様な国からの人材が増えており、企業はより広い視点で採用を進める必要があります。また、宗教や生活習慣、国ごとの手続きの違いを理解することも、受け入れをスムーズにする大切なポイントです。こうした複雑な手続きや国別対応を自社だけで行うのは負担が大きいため、特定技能に強い人材紹介サービスを活用することで、採用のミスマッチを防ぎ、スムーズな受け入れにつなげることができます。