介護業界は人手不足が深刻で、特定技能をもつ外国人材の活躍が期待されています。しかし、採用後に長く働き続けてもらうには、職場や生活面での工夫が欠かせません。本記事では、外国人材の定着率を高めるためのポイントや取り組みを順を追って解説します。ぜひ参考にしてください。
介護業界における外国人材を取り巻く現状
少子高齢化が進む日本では、介護の現場で働く人が不足しています。こうしたなか、特定技能「介護」の資格をもつ外国人材の受け入れが増えており、介護業界に新しい風を吹き込んでいるのです。ここでは、入職や離職の状況、他分野との比較、外国人介護人材の動向をわかりやすく整理します。
外国人介護人材の受け入れ状況
特定技能「介護」の外国人材は、制度開始の2019年から年々増加しています。2024年末には約4万4千人が在留しており、介護現場の重要な担い手です。
人手不足が深刻な介護分野では、外国人材の受け入れは現場の支援力を高める大きな役割を果たしています。
入職と離職の傾向
離職率は比較的低く、自己都合による離職者は全体の約8%です。在留者数に対する離職率も10.6%で、全分野平均16.1%より低く、とくに介護分野は定着率が高いことがわかります。
離職の理由には、給与や待遇への不満、職場環境のやりにくさ、キャリアの不安などが挙げられますが、生活支援や日本語教育の充実が定着に寄与しています。
他分野との比較
特定技能制度のほかの分野と比べても、介護分野の外国人材は安定して働きやすい傾向にあります。全産業の平均離職率が15%前後であるのに対し、介護職員は14.4%とやや低く、外国人材も同様の傾向です。
これは、介護事業者が定着支援に力を入れていることや仕事の専門性が評価されやすいことが背景にあります。
なぜ特定技能「介護」の外国人材は転職・離職するのか?
特定技能で介護の仕事に来る外国人材は、日本で長く働きたいと思っている人が多い一方で、さまざまな理由で転職や離職を考える場合があります。ここでは、その主な理由をわかりやすく解説します。
給与や労働条件への不満
給与が思ったより低かったり、休みが少なかったりすると、不満がたまります。
とくに、SNSなどでほかの職場の待遇を知ると、自分の職場と比べて不公平に感じ、転職のきっかけになる場合があるのです。
日本特有の職場環境
日本の職場では、いわなくてもわかる暗黙のルールやチーム全体の調和を重んじる文化があります。指示がはっきりしていなかったり、報告・相談が難しかったりすると、外国人は戸惑いやストレスを感じます。
ストレスの積み重ねにより、離職を検討する可能性もあります。
キャリアアップができない
将来の成長や資格取得のチャンスが見えない状況も、働く意欲が下がる原因のひとつです。介護福祉士などの資格を目指す人も多いですが、支援がなかったり、昇進の道筋が示されたりしないと「このままでは成長できない」と感じてしまいます。
コミュニケーションの難しさ
方言や専門用語、文化の違いから、利用者や同僚とのやり取りに苦労する場面があります。
意思の疎通がうまくいかないと、自信を失ったり、人間関係のストレスが増えたりします。
母国への帰国事情
家族の病気や介護など、本人の意思とは関係なく帰国しなければならない場合もあります。こうした事情は、企業側の努力だけでは防げません。
介護業界で特定技能人材を定着させるためにやるべきこと
介護業界では、人手不足を補うために特定技能をもつ外国人材の採用が増えています。しかし、採用しただけでは長く働いてもらえません。ここでは、定着させるために企業が取り組むべきことをわかりやすく紹介します。
制度とルールの見直し
まず、給与や労働条件の見直しが大切です。残業の負担や休日数を調整し、評価が給与に反映される仕組みを整えましょう。
働く人が納得できる待遇は、定着率を上げる基本です。
職場環境の整備
安心して働ける職場づくりも重要です。上司や同僚に相談できる体制を作り、仕事の役割を明確にすることで混乱やストレスを減らせます。
また、異文化理解の研修を行うと、外国人材が孤立せず働きやすくなります。
キャリアアップ支援
将来の成長の道が見える環境構築も、定着につながります。資格取得のサポートやリーダー職への道筋を示すことで、本人のモチベーションを高められます。
長く働きながらスキルを伸ばせる環境を用意しましょう。
日本語・生活支援
言葉や生活の不安を減らす支援も必要です。日本語レッスンや専門用語の教材を提供し、住まいや役所手続きのサポートをすると安心感が生まれます。
地域の交流イベントへの参加支援も孤立防止に役立ちます。
企業側の課題解決策
採用後に問題が起きる理由のひとつに、制度や手続きの複雑さがあります。専門サービスを活用して手続きや生活支援を代行すれば、企業の負担を減らしながら、外国人材が安心して働ける体制を作れます。
まとめ
特定技能「介護」の外国人材は、給与や労働条件、職場文化、キャリア、生活面など、さまざまな課題によって転職や離職を考える場面があります。しかし、企業側が課題に丁寧に向き合い、待遇改善や職場環境整備、キャリア支援、日本語・生活支援などを総合的に行うことで、定着率は大きく向上します。さらに、採用や手続き、生活支援の負担を軽減するためには、特定技能外国人材の紹介サービスを活用するのも効果的です。企業は自社に合った人材と効率よく出会い、入職後も安心して働ける環境を整えられます。特定技能人材紹介は、採用から定着までをサポートする強力なパートナーとして、介護現場の人手不足解消にも役立つのです。